2008年11月25日(火)16:56

チェコの憲法裁判所はリスボン条約の合憲性を判断

AFP

チェコの憲法裁判所はEU改革リスボン条約に関する協議を開始した。聴聞の開始にあたり、ヴァーツラフ・クラウス大統領は条約がチェコの主権を脅かすと警告した。一方アレクサンドル・ヴォンドラ副首相は、主権喪失というほど権限をEUに委譲するわけではないと反論した。ブルノの憲法裁判所の15名の裁判官は聴聞会を水曜日に持ち越した。裁判所はリスボン条約がチェコ憲法に適合するか判断を下す予定である。

リスボン条約反対論者として知られるクラウス大統領は、条約は欧州連合におけるチェコの影響力を弱めると警告した。これは「受け容れがたい」。新たな票決規定により「ドイツの重みは二倍、チェコは減少、アイルランドは半分に低下する」と大統領はテレビで生中継された聴聞会で語った。

これに対しヴォンドラ副首相は、チェコはリスボン条約が発効しても独立した民主国家のままである。EUは「チェコ共和国と同じ民主的な原則」に基づいている、と反論した。ミレク・トポラーネク首相はこれより前、憲法裁判所がリスボン条約についてチェコの憲法に適合しないと判断する様子はないと述べている。

憲法裁判所への訴えは今年の春、保守系の与党市民民主党(ODS)の上院議員が起こした。裁判所はこれを受けて、リスボン条約がチェコの憲法に適合するか否かについて判断を迫られている。とりわけ、欧州連合への国家権限の委譲であり、条約に定められた多数決規定が問題となっている。

憲法裁判所がリスボン条約の合憲性を認めれば、議会が批准についての決定を行うことになる。議会の批准は確実と見られている。そうなれば条約はクラウス大統領の署名を待つだけとなる。大統領は月曜日、リスボン条約に署名するのはアイルランドが否決を取り消した場合に限られると述べている。アイルランドは国民投票で批准を否決している。

チェコは2009年1月1日にフランスからEU議長国を引き継ぐ。チェコはEU加盟国で唯一、リスボン条約の批准手続きがいまだ開始されていない。

原題:Tschechisches Verfassungsgericht entscheidet ueber EU-Vertrag




ホームへ戻る